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2023年10月31日
新鮮なお肉の方が美味しいの?
率直に伝えると、とりたて(と畜直後)の肉は不味くはないですが、ひと味足りない感じで硬いんです。それは“死後硬直”した肉だからなんです。生きている肉の筋肉はATP(アデノシン三リン酸)をエネルギーや潤滑油として筋肉を伸縮しているのですが、と畜してしまうとATPが供給されなくなり、伸縮が出来ずに硬くなってしまいます。これが死後硬直のメカニズムです。ということで、皆さんが食べる“柔らかく美味しい肉”にするには“時間”が必要なのです。微生物が繁殖しない低温の状態で、一定期間留め置くことで、肉の中に残っていたAPTが旨味成分のイノシン酸に変化し、さらにタンパク質が分解酵素の働きで同じく旨味成分のグルタミン酸になっていきます。これが熟成と呼ばれる工程になります。皆さんが食べられる牛肉は、この過程を経て商品となっていきます。